日本政府が発表した第3四半期のGDPは、2期連続の前期比マイナスとなった。これは日本経済がテクニカルな「景気後退局面」に入ったことを意味する。アベノミクスがスタートして来年には3年目に入ることになるが、一体この政策は日本の景気回復にプラスになったのであろうか。早稲田大学金融総合研究所の野口悠紀雄顧問の答えは明らかにノーである。
同氏によれば、「アベノミクスの3本の矢は、いずれも日本経済の成長や健全で持続可能な発展に全く寄与することなく、それどころか逆に大きな損害をもたらした」「第一の矢である大胆な金融緩和が成功したという人がいるがそれは間違いだ。大規模な金融緩和は為替を円安にしただけである。円安は輸出企業の利益を膨らませ、株価を上昇させたが、ただそれだけだ。経済成長には何の役にも立っていない」
「第二の矢である機動的な財政政策も2013年にやや効果があった。しかしその効果が見られたのは“線香花火”より短いであった。第三の矢である経済構造改革に至っては、これ以上の空疎な言葉を探すのが難しいくらいの、アベノミクス最大の虚言といえるだろう」