北京と上海と結ぶ「京滬高速鉄道」を運営する京滬高鉄公司がこのほど、同鉄道の昨年の年間利用者数が前年比27%増の延べ1億人に達し、黒字に転換したと発表し、中国国内外で注目を集めている。新華社が報じた。
世界のほとんどの高速鉄道が赤字経営となっている中、2011年6月に開通した京滬高速鉄道は、どのようにして3年で黒字へと転換することができたのだろう。
需要は高まるばかり
同鉄道は1990年に建設構想が持ち上がり、2008年に着工するまで18年、竣工までに3年半がかかった。世界最高峰の技術が採用された同鉄道は、1949年に中華人民共和国が成立して以来、投資額が最大規模の鉄道プロジェクトとなり、最終的な投資額は2088億4千万元(約3兆9679億円)に達した。
京滬高速鉄路株式有限公司の元董事長である蔡慶華氏は取材に対して、「当初、建設に5年かけ、その後5年運営してプラスマイナス0の経営に持ち込み、その後14年かけて貸付金と利息の返済をする計画だった。昨年、同鉄道の利用者が延べ1億人に達した。運行列車は1日平均250便だったが、通勤ラッシュ時間帯は混雑を解消することができなかった。午前は上り、午後は下りの利用者が多く、これ以上増便できない状態。特に、安徽省の蚌埠から江蘇省の徐州に向かう便の利用者が多い。このままでは、第二京滬高速鉄道を建設しなくてはならない」と指摘した。