50メートルの杭で地盤強化
中鉄第四勘察設計院集団有限公司の副チーフエンジニア許克亮氏によると、「高速鉄道で一番怖いのは、線路が不均衡に沈下すること」。設計時速が350キロに達する高速鉄道の線路は、地盤の沈下が数十年後であっても15ミリを超えてはならないという。
河南省鄭州市と陝西省西安市を結ぶ鄭西旅客専用線の華山北駅と臨潼東駅の間は、湿った黄土の厚さが2-3メートルに達するため、沈下を防ぐために、5メートルおきに深さ50メートルの杭が打たれた。そしてつなぎ目のない鉄筋コンクリートが打たれ、列車の安全な走行を確保している。
中国には、冬にはマイナス40度になる地域を走る「哈大旅客専用線」(ハルビン-大連)、台風に度々襲われる地域を走る「海南環島高速鉄道」、強風が吹く地域やゴビ砂漠を通る「蘭新高速鉄道」(甘粛省蘭州市-新疆ウイグル自治区)、トンネルが約半分を占め、「スーパー高速地下鉄」と呼ばれる「貴広高速鉄道」(貴州省-広西チワン族自治区)など、さまざまな気候、地質の地域を走る高速鉄道がある。そのため、中国は、高速鉄道建設の豊富な経験を誇っている。