英国は12日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に創設メンバーとして参加する意向を明らかにした。フランスとドイツ、イタリアも17日、AIIBへの参加の意向を示した。韓国やオーストラリアなどはまだ結論を出していないが、スイスやルクセンブルクもAIIBへの参加申請を宣言する可能性がある。国際商報が伝えた。
英国の参加が明らかになった当初は、英国が中国に「すり寄った」と米国から批判が上がった。しかしAIIBの人気や評価が高まっているのはまぎれもない事実である。
▽米国の激しい反発
米国はなぜ英国などがAIIBに加わるのにこれほど激しく反発するのか。
中国現代国際関係研究院欧州研究所の張健・所長は、「現在の世界の大きな経済系国際組織は、世界銀行にせよ、国際通貨基金(IMF)にせよ、アジア開発銀行にせよ、どれも米国が主導している。IMFでは、米国は事実上の『拒否権』を持っている。中国などの新興エコノミーは発言権の拡大などの問題を何度も提議して来たが、米国は今になっても、中国やその他の発展途上国の世界銀行とIMFにおける発言権を拡大するという2010年の約束を果たしていない」と分析する
英国がリードを取る中、フランスやドイツ、イタリアなどの西側諸国がAIIBへの参加を次々と表明していることは、米国にとって、自らの経済的覇権に対する挑戦と映っているのだ。
「もしもAIIBがアジアのいくつかの新興国だけによるものだとすれば、特定地域の組織であるにとどまる。だが英国など西側諸国の参加によって、AIIBの性質は、世界銀行やIMF、アジア開発銀行と肩を並べる国際組織へと飛躍する。米国は当然おもしろくない」と張健所長は指摘する。