中国人民銀行(中央銀行)は今年2月5日に全面的な預金準備率の引き下げに踏み切ったが、昨日再び金融機関の人民元預金準備率を1%引き下げると発表した。これにより約1兆2000億元の流動性が市場に供給されると見られる。
中央銀行は19日、2015年4月20日より各種預金類金融機関の人民元預金準備率を1%引き下げると発表した。これを基礎とした上で、金融機関の構造調整への支援を強化し、小企業・零細企業、「三農」(農業・農村・農民)、重要水利プロジェクトの建設などに対する支援を強化するため、4月20日より農村信用社や村鎮銀行などの農村金融機関の人民元預金準備率をさらに1%引き下げ、かつ農村合作銀行の預金準備率を農村信用社の水準まで統一的に引き下げる。また中国農業発展銀行の人民元預金準備率をさらに2%引き下げる。また、「三農」もしくは小企業・零細企業関連貸付が一定比率に達した国有銀行および株式制商業銀行に対しては、同類の金融機関の法定水準を0.5%下回る預金準備率を実施する。
中国金融機関の人民元預金残高は3月末時点で124兆8900億元だったが、上述した比率に基づき預金準備率を引き下げることで、約1兆2400億元の資金が市場に流入することになる。