円安が止まらない。6月2日、対ドルで大幅に下落し、13年来の安値をつけた。これは日本の経済刺激対策の産物に他ならない。日本当局は依然として円安は国益になるというが、円の弱体化はリスクをもたらし始めているとの声も少なくない。
続く円安
安倍首相はデフレ解消と経済振興のため、財政面と通貨面で経済刺激政策を推し進めている。その主要な施策はまさに円安政策である。
5月26日、東京為替市場の円レートは1ドル123.33円にまで下落した。これは7年ぶりの水準である。
ウェストパック銀行のシニアストラテジストであるキャロル氏は、急激な円安には2つの要因があると述べる。1つは短期売買の投資家による思惑売りによるもの。もう1つは日本の投資家による海外債券買いによるものである。
政策決定に携わる日本の官僚は、これまで円安に対し楽観視してきた。日銀の黒田総裁は6月2日、ファンダメンタルズを反映した安定した為替が望ましいとし、円安について直接評論はしなかった。円安を黙認しているように見える。