中国5月CPI(消費者物価指数)が減速し、9カ月連続で+1%台を維持している。またPPI(生産者物価指数)が前年同月比で低下し続けたことは、工業生産の減速圧力が依然として存在していることを示し、追加金融緩和の余地をもたらした。アナリストは、6月に預金準備率が引き下げられる可能性が高いと判断している。
中国の国家統計局が9日に発表した情報によると、5月CPIは前年同月比で+1.2%となり、伸び率が前月より0.3%低下した。CPI伸び率が今年初めて低下し、かつ9カ月連続で1%付近を推移している。
HSBC中国のチーフエコノミストの屈宏斌氏はデータを分析し、「5月のCPI伸び率は市場の予想を下回った。これは一部の生鮮食品の価格低下と、4月の伸び率が高かったことによるものだ」と述べた。
これまでCPIの上昇を支えてきた豚肉の価格が、上昇を維持している。5月の豚肉価格は前月比+2.7%で、今後数カ月に渡りCPI伸び率を支える見通しだ。