また、円高となっていた期間、日本の企業は生産を海外に移していたため、日本の経済構造も変化した。
帝国データバンクの内藤修氏は、「円安により、倒産する日本の企業の数は今後数カ月も増加する可能性がある。これも最近の急激な円安の連鎖反応。最近、円安が過度に進み、多くの中小企業にとっては死活問題となっている」と指摘している。
帝国データバンクのデータによると、2014年度の円安関連倒産は401件に上り、前年度の178件に 比べて125.3%増だった。一方、全体を見ると倒産件数は前年度比10.5%減の9044件だった。今年4月だけを見ると、円安関連倒産は35件だった。内藤氏は、「企業の倒産は、8月から年末にかけて増加する可能性がある。倒産する可能性があるのは、運輸や食品加工、小売、紡績、衣服製造などの企業で、倒産件数全体を押し上げる可能性がある。なぜならレートの変化が倒産件数に影響が出るのは通常3-6カ月後だから」と分析している。
仏ソシエテ・ジェネラルのアナリストで、筋金入りのペシミスト(悲観論者)であるアルバート・エドワーズ氏は、今月2日、「円安ドル高が13年ぶりの水準に達したことで、世界経済がさらに動揺することになるだろう。なぜなら、その他の国も、自国の貨幣の価値を下げ、競争力を持たせようとするから。円の動向は、1997年にアジア金融危機が起きる前の状況を彷彿させ、円安は、新たな世界的な為替戦争を誘発するだろう」と警告した。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年6月10日