止まることのない円の下落が、ついにウォンや東南アジア諸国の通貨の下落をも引き起こしている。アジア通貨戦争が勃発する可能性がますます強まってきた。
安倍政権になって以降、一貫して日本は円安政策を採ってきた。対ドルでは1ドル75.57円から120円まで下落した。この期間、日本の対外貿易の数値は大きく好転。データで見る限り、円安によって輸出企業の競争力が強まり、自動車や電子機械、大型設備の輸出が増加した。日本の輸出総額は7か月連続の増加となっている。特に今年3月は輸出総額が6兆9274億円に達し、前年同月比8.6%の増加となった。さらに32か月連続の貿易赤字が黒字にも転じている。
一方で昨年中の円安は、周辺国家の為替市場に変化をもたらしたわけではなかった。最も典型的なのが韓国ウォンだ。韓国の経済構造は日本と似ているが、2014年のウォンは対ドルレートで最高値となる1ドル1000ウォン寸前の水準だった。円安傾向は2012年初から続いているが、これまでウォンは基本的に安定していた。