しかし昨年から状況が変化した。ウォンは2014年の第3四半期から下落傾向になり、現在1ドル1117ウォンまで下落。この一年で10%下落している。この期間、韓国の輸出入の数値に明らかな変化が生じている。
韓国の貿易収支の差は拡大中にあるが、輸入が前年比で大きく減少した。韓国が採った対策は積極的なウォン安政策で、ウォンは昨年中期の1ドル1000ウォン近い状況から、現在は1ドル1100ウォンに下がった。これは韓国の輸出減少に対する措置であり、韓国の輸出状況を反映したものでもある。
日韓は東アジアにおいて最も産業競争力の強いふたつの国家である。 タイに目を転じると、この国は東南アジア経済の典型的な存在といえる。2014年の1~9月、タイの貨物輸出入金額は3413.1億ドルで、前年同期比で5.3%の減少だった。そのうち、輸出は1688.3億ドルで0.4%の減少、輸入は1724.8億ドルで9.6%の減少だった。貿易収支差は36.4億ドルで83%のマイナスとなった。2015年の第1四半期になると、タイの輸出状況はさらに悪化している。2015年の1~3月のタイの貨物輸出入金額は1053.3億ドルで、前年同期比で5.5%の減少。うち輸出は530.5億ドルで4.8%の減少。昨年の1~9月に比べて減少が大きい。輸入は522.8億ドルで6.1%の減少。貿易収支差は7.8億ドルだった。輸出状況は悪化を続け、タイバーツの下落基調が始まっている。タイバーツは東南アジアの通貨の代表格である。