先週、世界の株式市場は四年ぶりの暴落週となった。8月24日の株式市場や為替市場の急落は、投資家にこう訴えているかのようだった。「最悪のときはこれからだ」。
投げ売りの元凶は何なのだろうか。記者が分析するに、市場は3つの問題に矛先を向けている。
新興市場に打撃を与えるアメリカの金利引き上げ
アメリカの景気回復が続くに従い、FRBは金利の引き上げを何度も示唆してきた。金利引き上げは、失業率や不動産市場、CPIなどのデータの改善に基づき決定される。
2013年、当時のFRB議長だったバーナンキ氏が初めて「金利引き上げ」の意向を述べた際、新興市場は大荒れした。当時FRBは、当面は低金利の環境を維持すると何度も述べていたにもかかわらず、将来の不確定性が投資家を弱気にさせた。
その後しばらくの間、新興市場の通貨は下がり、株式市場は下落した。リスクヘッジ機能を持つ債券市場も冷え込んだ。これは現在の状況と酷似している。2年前と異なるのは、今回はより動揺が大きいことだ。
第一に、2年前と比較すると、現在のFRBは真剣に金利の引き上げを検討している。年内に実行する可能性が高く、9月が予定されているが、敏感な時期が近づくにつれ、市場も敏感になってきている。
第二に、新興市場諸国は外向きの経済体が多く、FRBの金利の引き上げによるドル高の影響をモロに受けやすい。また大口コモディティ市場の値動きに振り回されやすいのも、これらの国家である。