中国商務部の報道官は先日、人民元の対ドル中心レートがこのほど引き下げられたことについて談話を発表し、これは人民元為替レートの「通常の調整」だとして、「対外貿易に与える影響は限定的なものだ」との見解を示した。
同報道官は、「昨年末から、人民元の対ドル中心レートは市場のスポットレートと大きな差があった。今回、人民元中心レートのメカニズムを調整したことによって、この開きを一気に埋めた。これは、人民元為替レートの決定において市場が基礎的な役割を果たすのにプラスとなる」と指摘した。
さらに「全世界のバリューチェーンの下で、1つの経済体の為替変動やそれが輸出入に与える影響は、すぐに他の関連経済体に波及する。これによって、為替レートの下落による対外輸出のけん引効果は拡散され、弱まるだろう。今回の人民元為替レートのメカニズム調整による影響は、企業によってそれぞれ異なる。加工貿易を中心とする輸出大国として、中国が人民元レートの通常調整を行なうことによって対外貿易が受ける影響は限定的なものだ」としている。
中国国際放送局日本語版 2015年8月30日