商務部の銭克明副部長は17日、中国・アラブ諸国博覧会2015の記者会見に出席し、中国とアラブ諸国との貿易関係について「双方の貿易面での協力関係は健全で安定的に推移している。中国がアラブ諸国にとって世界で2番目の貿易相手国かつ最大の原油輸出市場になるとともに、アラブ諸国は中国にとって世界で7番目の貿易相手国かつ最大の原油供給基地のなっている」と語った。
◇拡大する貿易量
「中国とアラブ諸国との貿易を発展させることは、『海と陸のシルクロード』戦略を推進する上での重要な構成要素である」(銭副部長)。 ここ数年の双方の貿易額はきわめて良好に推移している。2014年の貿易額は前年比5.2%増の2512億ドル。そのうち(中国からの)輸出は12.3%増の1139億ドルと拡大している。主な輸出品目は機械・電力設備、紡績・衣服、ハイテク製品、金属(衣食住向け)など。輸入品目は石油化学製品が主となっている。 投資の分野では、2014年末までの中国からアラブ諸国への直接投資額は100億ドル超と伸びており、資源開発や家電組立、軽工業、衣料品加工などの分野への投資が主体だ。一方アラブ諸国から中国への投資は、石油化学や物流、軽工業、建材向けを中心に31億ドルとなっている。 ◇伸びるエンジニアリング契約 貿易とともにエンジニアリング契約(対外請負工事)での協力も進行している。2014年末までの中国企業のアラブ諸国での受注額は2551億ドル。対象は住宅、通信、交通、石油・石油化学、電力、港湾、建材など多方面に及んでいる。