日本の製造業はここ数十年に渡り低コストを追求し海外に生産拠点をシフトしてきたが、円安を背景に「メイド・イン・ジャパン」を見直す動きが広がっている。
ただし、今回の「国内回帰」は、人間の仕事や大規模な工場よりもロボットに関わる部分が多い。これは2000年代半ばの数十億米ドルに上る大規模な投資が世界金融危機で失敗に終わったのとは情況が異なる。また、輸出より国内市場向けの生産拡大が多いという。
キヤノンを例にとれば、同社は2018年をめどにデジタルカメラの国内生産を完全自動化する方針。昨年は43%だった国内生産の比率を数年以内に60%に引き上げる。また、1億1000万米ドルを投じて、大分県に技術開発拠点を建設。ロボット技術を通じた技術開発を進め、生産コストの低下と深刻さを増す労働力不足問題の解消を目指す。