国際通貨基金(IMF)が人民元を国際準備資産特別引出権(SDR)の通貨バスケットに採用することを検討しているが、IMFのスタッフが予想外に不採用を提議しない限り、米国などの支持を得られる可能性が高い。英フィナンシャル・タイムズが29日付けで報じた。ただし、技術的な問題などもあり、IMF内部は緊迫した空気に包まれているもよう。
報道によれば、IMFのスタッフはこれまでの慎重なアプローチを踏まえ、ひとつの可能性を提示している。IMFはSDR構成通貨の見直しについて当初11月に開催する理事会で投票を予定していたが、年明けに先送りされることになった。外部関係者の間で懸念が広がるなか、中国は改革徹底と信頼性向上を図る猶予を与えられた。
人民元がIMFの創設したSDR構成通貨に採用されれば、ユーロ採用以来の最大の調整となる。現在の構成通貨はユーロ、米ドル、日本円、英ポンドの4種類。IMFは8月に、SDR構成通貨の変更時期を来年9月30日まで延期すると発表したが、これにより各国の中央銀行は準備に充分時間がかけられるという。