「IMFと中国政府の当初の予想に基づけば、現時点までに必要な改革は実施済みのはずだ」。IMFの元中国担当主任で現在は米コーネル大学で教鞭をとるEswar Prasad氏は、このように語った。「しかし構成通貨への採用が遅れているのは、中国政府の対外開放措置の管理がうまくいっていないためだ」とし、「これが中国政府とIMFの両者にとって悩ましい問題となっている」と指摘した。
IMFのSDR構成通貨採用については、2つの基準がある。その国が大型貿易経済国としての役割を果たしているか、その通貨が「自由に取引」されているかが主な基準となる。
中国は世界最大の貿易国であるため、前者はすでにクリアしているが、後者については見方が分かれる。IMFにとって最大の問題は、中国の資本規制ではなく、必要な時に実際の取引ができるかどうかだ。IMF加盟国が通貨危機に陥った際に人民元を使用できるかどうかが重要となる。