判断ポイント2:中国のマクロ経済政策に大きな変更はない
経済データの数値が良くないことから、政府は緊急対策を採るのか。楼継偉氏は「中国政府は季節的、短期的な経済の波に対して特段気に掛けることはない。マクロ経済政策の既定路線を維持するだろう」と明言した。
規定路線とはなにか。楼継偉氏の解説によると、マクロ経済政策は総合的目標に注目し続けている。特に就業率の増加と物価の安定だ。そのため1つの経済指標の変化から大きな政策調整をすることはあり得ない。報道によると、2015年上半期におけるGDP成長率と失業率、消費者物価指数(CPI)の数値は前年比で見て合理的な範囲内で推移している。これはマクロ経済政策が安定的に運用されていることを示している。
既定路線の維持は、短期的減速という陣痛の容認を意味している。「調結構」(新常態に合わせた安定的な経済構造調整)による、より良き発展を目指しているのだ。楼継偉氏の言葉で言えば「中国経済最大のポテンシャルは改革にあり」ということだ。