韓国の化粧品メーカー、アモーレパシフィックもその一例だ。中国での需要の急増を受け、今年に入ってから同社の株価は66%も上昇。韓流ブームの影響もあって、中国での売上高は5年間で5倍増。天然成分由来の「雪花秀」(ソファス)や、「ラネージュ」など、アモーレパシフィックの製品が中国の消費者に愛用されている。HSBCの予想によれば、中国市場からの利益が同社全体に占める割合は、13年の19%から16年には37%に拡大する見通し。
香港の資産運用会社、バリュー・パートナーズでファンドマネージャーを務めるエイミー・リー氏は、「中国でハイエンド市場の成長が減速しているものの、ミドル・ローエンド市場は大きな成長ポテンシャルが見込める」と指摘。バリュー・パートナーズは数年前から、アモーレパシフィック株を保有している。「アモーレパシフィックを有望視する理由は製品ラインナップの充実さだ。同社製品はハイエンドからローエンドまでカバーしている」と、リー氏は説明している。
中国で販売を展開する日本企業にとって、円安が追い風となった。コンドームメーカーのオカモト株式会社の株価は年初から183%上昇し、10月には過去最高値を付けた。中国で以前からオカモトは有名ブランドの一つ。ただ、商標をめぐるトラブルや、ニセモノなどに悩まされてきた側面もある。