高級携帯電話サービスを提供しているVertuがこのほど、中国企業に買収された。
2012年、浙江省のある企業家がVertuを買収する意向を示したものの、オーナー企業だったノキアが拒否。「中国企業には売らない」とした。しかし、英紙「ファイナンシャル・タイムズ」によると、香港の基金会社「GodinHolding」と共同で、中国人個人投資家がこのほど、Vertuを買収した。Vertuは具体的な内容については明らかにしていない。
Vertuに接触し、デュー・ディリジェンス調査にも参加した李毅(仮名)氏は取材に対して、「Vertuは昨年から買い手を探していた。我々も接触したことがあるが、我々が得たデータでは、Vertuの財務状況は非常に悪い。倒産の危機にあるほどで、売却するしかなかったという状態」と説明した。
そして、「Vertuは、お金があるだけでなく、背後に富裕層の顧客を抱え、同社の今後の発展を支えてくれる買い手を探していた」とし、今回の中国人投資家の買収について、「単なる経済的な投資であれば、Vertuの現在の危機を救うことはできない。また、戦略的投資家で、多くの顧客を抱えていても、それをVertuの顧客に回せるかという問題が残り、課題も多い」との見方を示す。