韓国大統領官邸・青瓦台によると、双方は慰安婦問題について、早期の妥結を目指して交渉を加速させていくことで一致したほか、経済分野の協力を強化し、首脳会談の結果を着実に実施し、ハイレベルの対話メカニズムを構築することで一致したという。
経済協力の強化について言及されたが、歴史問題という「足枷」が存在する以上、日韓の経済協力がどれほど強化できるのかは不明だ。
まず、円安によって韓国の輸出が打撃を受けた。これは近頃の韓国経済発展に影響を及ぼす大きな原因となっている。日本経済にはまだ回復の兆しが見えず、日銀の緩和策は今後も継続され、さらなる緩和の可能性も排除できない。そうなれば、円安の方向性が一転する可能性は低く、韓国の輸出も影響を免れることは難しい。
次に、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉の大筋合意により、韓国の一部産業がプレッシャーを感じている。日韓両国は多くの分野が競争関係にあることから、TPPが発効すれば、韓国は日本との競争の中で市場を失うことになる。しかし、韓国がTPPに加入するとなると、12カ国と交渉しなければならない。日韓がTPP加入をめぐって交渉すれば、自動車などの関税および日本の農水産品の輸入制限に関する交渉が難点となるだろう。
最後に、韓国と中国の経済貿易協力はますます緊密化しており、中国市場の韓国経済に対するけん引作用は軽視できなくなった。日本との経済協力問題において、韓国はコストの問題だけでなく、日韓関係の背後にある米国の問題を考慮することになる。中国および米国との関係に対処する中で、韓国は分をわきまえ、バランスをとらなければならない。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年11月10日