湯副部長は「ボールペンが使いづらい背景にはやはり熟練技術職人の育成問題がある」として「国のトップクラスの製品はハイクラスの人材が生産にあたっている。しかしより大衆化した、使用頻度も高い家庭用品や一般的なペンは、より多くの労働者のうち特に熟練労働者が日常生活の中で品質を高める必要がある。製造業大国から製造業強国まで、我々は人材育成面において大きな差がある」と語った。
中国社会科学院人口・労働経済研究所人的資源研究室の高文書室長は「これはメイド・イン・チャイナの『重点分野はリードしているが、システム性が遅れている』という現状そのものを映している。中国は多くの最先端分野でリードしているが、ボールペンなど一部の分野は人と機械設備の共同作業に頼った結果で、人も多くの技術を持っているが、もし設備、機械システムが整っていなければ、確実に困難になる時がある」と考えている。
中国航空工業集団公司の劉井宏総経理(社長)補佐はデザインから製品に転化させ、市場競争力のある製品にするには、全体的なプロセスとして、技術転化とスムーズな移転メカニズム、優良な製造保証、成熟した人材マーケット、信頼できる市場環境などが必要だが、現在中国の製造業の短所だとみている。
湯副部長は「中国はすでに生産実績において経験豊富な名人級の職人がいるが、これらの立派な職人の持つすばらしい技術をどのようにすれば後継者へと引き継ぐことができるのか。これは今の中国の製造業が真剣に向き合わなければならない問題だ。軍事工業など特殊な業界において、中国の立派な職人は若干多い。伝統的な業界においては上級技術者、首席技術者、特別技術者はやはり少ない」と率直に語った。