世界各地の高速鉄道市場では、必ずと言っていいほど中日両国の競争が存在する。主戦場はインフラ建設と投資を加速中のアジア諸国に留まらず、最近は欧米市場も新たな争奪の地と化した。ここでは、高速鉄道をめぐる中日対決の記録を見ていこう。第一財経日報が伝えた。
○インド
今年9月末、中国鉄路総公司が率いるコンソーシアムが、インドの首都・ニューデリーとムンバイを結ぶ高速鉄道のフィージビリティスタディの入札を勝ち取った。
インドの建設・機械大手ラーセン&トゥブロのCFO(最高財務責任者)は「中国の他にも、日本がインドの高速鉄道建設に興味を示していた。中日の企業はいずれもラーセン&トゥブロを現地パートナーに選び、コンソーシアムの形でプロジェクト入札に参加することを望んでいた」と語る。
中国の高速鉄道の総延長は1万4千キロに達し、世界の高速鉄道総延長の60%以上を占める。中国は高速鉄道の営業キロ数が世界で最も長く、建設中の距離数も最大の国となっている。
注目すべきは、日本が中国よりも数十年早くインド鉄道市場に進出し、市場での信頼度では中国を上回っていた点だ。インドに進出したばかりの中国企業は、後発者として大きな試練に直面していたが、コスト・価格面の強みを活かし、中国企業はインド市場で徐々に日韓・欧米各社のライバルへと成長していった。
○インドネシア
今年10月、日本が4年前にフィージビリティスタディを終わらせていたインドネシア高速鉄道プロジェクトを、後から参戦した中国企業が奪い取った。中国案が「唯一の選択肢」となるまでの過程は紆余曲折に満ちていた。勝因は、中国の強大な財力と魅力的な投資条件だ。