インドネシア・ジャワ島の高速鉄道プロジェクト入札において、中国企業はインドネシア政府の財政負担や債務保証を伴わない計画を提出した。インドネシア側によると、中国案では融資の保証が必要ないほか、工事期間も日本の計画より短かったという。このほか、中国案は合弁経営モデルを選択し、高速鉄道技術のインドネシアへの移転や現地生産を承諾した。こうした「技術を以て市場と交換する」やり方は、自国の製造業レベルを高めたいジョコ政権にとって魅力的に映ったのだろう。
共同通信社は「インドネシア・ジャワ島の高速鉄道プロジェクト入札において、中国は強大な財力を背景に、インドネシアの国営会社と提携する計画を提出して受注を獲得した。一方の日本は車両価格が割高で、技術面の強みばかりを強調する従来のやり方では立ち行かなくなった」と自省気味に報じている。
○タイ
日本はインドネシアでは敗れたが、タイでは受注を勝ち取っている。
日本・タイ政府は今年5月、タイが計画する高速鉄道に日本の新幹線技術の導入を前提に、共同で事業調査する覚書を締結した。
日本国土交通省によると、同路線はタイの首都バンコクと北部の観光都市チェンマイを結び、総延長は約670キロメートル、総工費は120億ドル。
その後間もなくして、中国も負けじとプロジェクトを受注した。9月、中国とタイは6回の交渉を経て、ついに鉄道協力に関する政府間枠組み協定を締結した。計画中の路線は867キロメートル。タイ北部のノーンカーイ県と首都バンコクを結び、時速180キロ。当初の時速250キロ案に比べて建設コストが抑えられた。