▽いかにして「罠」を回避するのか?
この罠をどう回避するかについて、習近平主席は様々な場で一連の措置を提案している。最も多いのが「経済発展モデルの転換」だ。これには、チャンスと方向性が含まれる。
チャンスは多い。習近平主席は中共中央政治局第9回集団学習の際、「新たな科学技術革命と産業の変革が、中国の経済発展モデルの転換と交わり、革新駆動型の発展戦略を実施する我々に、得がたい重要なチャンスを提供した」と強調した。
また、今年の米国への公式訪問の前、習主席はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し、「中国は新型産業化、情報化、都市化、農業現代化を引き続き推進し、住民の貯蓄率は高く、消費の潜在力が大きく、国民は勤勉に働いている。中所得者の割合は高まり、サービス業は力強く発展し、市場の余地と潜在力はいずれも大きい。今後しばらくの間、経済が中高速成長を保つ基盤と条件を備えている」と語った。
方向性は定まっている。習主席はボアオ・アジア・フォーラム2013年度年次総会で、「経済発展モデルを転換し、経済構造を調整し、経済発展の質と効果を高め、これを基礎に国民生活レベルを絶えず高めていく」と表明した。2014年に経済情勢専門家座談会を主宰した際も、習主席は「改革の全面的深化の歩みを速め、市場が資源配置において決定的な役割を果たせるようにし、政府の役割をより良く発揮する」よう要求した。また、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対しても、中国が革新駆動を重視し、消費によるけん引に重点を置くことを強調した。