経済貿易関係が安保戦略関係に影響するかどうかは、見方が分かれる問題であり、ケースバイケースとも言える。筆者個人は中韓両国の経済貿易と安保戦略について、相互に影響し合うとみている。当然のことながら、安保戦略関係が第一義的、経済貿易関係は二義的なものとなるが、一定の条件下では経済貿易関係が安保戦略の変化を促すこともある。2つの例を挙げよう。1つは、中国の反対を踏まえて韓国が米国のTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)配備に二の足を踏んでいること。2つ目は、日米が反対するなか、朴槿惠大統領が中国の9月3日の抗日戦争勝利記念行事に出席したことだ。現在、「中韓経済共同体」の設立はほぼ完了し、安保戦略を含む「中韓運命共同体」も再構築が進んでいる。これは中国、韓国、ひいては北東アジアにとって非常に重要な意義があり、まさに地域政治の規律に則った結果と言えるかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月16日