弱い外需、国内投資の伸び鈍化、生産要素コストの上昇などの影響を受けたものの、中国の対外貿易は2015年も引き続き世界で強い存在感を示した。世界一の輸出大国、貿易大国としての地位を確固たるものとしつつ、世界の輸出市場でのシェアを顕著に拡大し、貿易構造の改善も進めた。
中国商務部が17日開いた定例記者会見で、2015年1-11月の中国の対外貿易は思わしくない状況だったのではないかとの質問が上がった。商務部の沈丹陽スポークスマンはこれに対して、「今年の中国の貿易成長は良好な成績を収めた」と回答。「世界一の輸出大国と世界一の貿易大国としての地位を維持したうえ、1-11月の世界の輸出市場でのシェアは拡大した」としている。
国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)など主な国際経済組織が発表した2015年1-9月の統計によると、2009年を除き、今年は世界的に貿易額の減少幅が最大の年となる可能性が高い。世界では主要70カ国で輸入がマイナス成長となっているが、その国々では輸出もほぼ下降線をたどっている。WTOの統計によれば、1-9月の世界の貨物貿易の輸出額は前年同期比11.1%減少した。うち、米国は6.2%減、EUは12.8%減、日本は9.2%減、韓国は6.6%減、インドは16.6%減、南アフリカは7.9%減、ブラジルは16.8%の減少だった。