中国財政部の楼継偉・部長は28日に北京で開かれた全国財政工作会議で、構造改革を推進する上で2016年がカギを握る年になると指摘した。
中国の経済成長が「新常態」(ニューノーマル)時代を迎えるなか、経済運営において、供給サイドの構造的、体制的な課題が深刻化している。総需要の適度な拡大を図ると同時に、生産効率の向上を中心に構造改革と構造調整を進め、経済成長の原動力の切り替えをスムーズに推進する必要があると強調している。
楼部長は、16年には4つの重点分野において、改革を前進させる一連の重要措置を講じる方針を示した。
(一)財政・税収改革を加速。営業税から増値税に切り替える改革を全面的に進め、建築業、不動産業、金融業、生活サービス業を改革の試行対象に加える。個人所得税を積極的に推進し、消費税改革に取り組む。
(二)金融体制改革を加速させる。国有金融資本管理制度の拡充、国有金融機関改革の推進をサポートし、多層的かつ専門的な金融機関システムを構築する。包括的金融、グリーン金融の発展に注力。「三農」(農業・農村・農民)、中小零細企業の資金調達難や、資金調達コストが高いといった問題の解消を促す。