持続可能な影響力を構築するため、アジア投資銀行は支援方式を革新し、限られた資源を発展の触媒として、中国と周辺諸国の相互接続や「一帯一路」長期戦略の実施を促すべきである。
業務規模は金融機構の影響力を判断する主な要素である。大きな業務規模イコール大きな影響力とはいえないが、一定の規模がなければ、影響力も限られていると断言できる。持続可能な機構影響力を構築するため、アジア投資銀行は限られた資源を革新的に利用し、一定の業務規模を開発・維持しなければならない。
発展途上国を中心とする株主構成や瞬く間に変化する国際政治・経済情勢から考えると、アジア投資銀行は近い将来、現存の多国間機構ほど寄付がもらえなくなる可能性もある。ユーロ圏の主権債務危機、ウクライナの地縁政治衝突、深刻化しつつあるシリア問題、欧州の難民問題、テロ撲滅対策などにより、欧州諸国からアジア投資銀行への寄付の政治的意欲や予算能力に影響が出るだろう。
アジア投資銀行は循環基金の方式によりプロジェクトの準備をサポートしてよい。成功したプロジェクトは決算後あるいは約束した期間内にもらった準備金を返還するというメカニズムである。準備資金が投資総額の7%、プロジェクトの成功率が60%だとすれば、寄付金1億ドルは開発コストに当てられるとすぐに使い尽くされてしまい、理想的な状況でも8億5000億ドルの投資を動かすのに過ぎない。ところが、循環基金の方式であれば、42億ドルの投資を動かすことになる。そのため、循環基金の相乗効果は著しく、優位性も目立ち、試みる価値がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年1月14日