金融は現代経済の中核的存在だ。中国は従来、加盟国として世界銀行やアジア開発銀行(ADB)に参加してきた。AIIBの設立で、中国は初めて自国が中心となって規則を制定し、世界経済ガバナンス体制の構築に参加する。これは世界経済の枠組みにおける発展途上国の発言権拡大につながるほか、中国が担う世界的な責任が増すことも意味する。張建平氏は、「我々のやり方は、共に協議し、建設し、成果を分け合うものだ。協力するうえでは大国も小国も問わず、平等な関係を結ぶ。我々が必要とする協力関係は、総員のコンセンサスを基に推進するもので、このような考え方は世界的な流れとなっている」と語る。
このほか、中国のインフラ整備での優れた経験も、多くの国々がAIIBへ加入する要因となっている。英ケンブリッジ大学シニアフェローのマーティン・ジャック氏は、「世界にインフラ整備の専門家がいるとするなら、それは中国だ。中国ならどうすべきかを知っている」との見方を示した。
中国国際問題研究員の阮宗沢常務副院長は、中国は急速に台頭した大国で、世界でのポジショニングが変わりつつあると指摘。世界に多くの新たな公共製品を提供しているが、AIIBはその1つの典型だとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月15日