高成長プラン――2020年:1万834ドル、2025年:1万4987ドル
中成長プラン――2020年:9954ドル、2025年:1万2831ドル
低成長プラン――2020年:9135ドル、2025年:1万961ドル
つまり、将来経済に大きな起伏が起きない限り、中国は「中所得国の罠」を回避できるが、プランの違いによってその達成時期が大きく異なってくる。高成長プランならば、第13次五カ年計画中に基本的に回避できるが、中成長プランだと2022年、低成長プランだと第14次五カ年計画(2021~2025年)が終わるころにやっと回避することになる。
減速するが失速はしない。これが、新常態下の経済発展の要求だ。
減速はしても良い。上述したように、経済成長率が5.4%以上、すなわち中成長プランの成長率を維持できれば、各目標の達成は問題がない。ただ、失速はしてはならない。ある程度の経済成長率は、雇用を確保し、「中所得国の罠」を回避するため必要であり、モデルチェンジ、構造調整、民生改善の必要条件でもある。この3つの目標の達成には、高すぎる成長率を引き下げる必要がある。これは自動車が角を曲がる時にブレーキを踏むのと同じだ。しかし、減速がそのまま失速になってしまうと、3つの目標の基礎と原動力も失われてしまう。航空機が失速すれば事故になってしまうのと同じだ。2008年の世界金融危機以来、先進国の経済は軒並み失速し、今も困難から抜け出せない状態だ。アジア、ラテンアメリカの多くの途上国の経済が長期的に停滞に陥り、「中所得国の罠」の中でもがいているのも経済失速の結果だ。減速するが失速はせず、中成長プラン以上を維持し、高成長プランを目指すことが、経済の新常態の中で「中所得国の罠」を回避する重要な基本戦略である。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年1月16日