中国の地方は今年、自発的に「減速」に乗り出している。上海証券報の統計によると、すでに24省(直轄市、自治区を含む)が今年の経済成長率の目標を打ち出しており、うち15省が昨年より低めに設定している。
各地の今年の経済成長目標には、「区間内の目標」という新たな傾向が見られる。広東省、江蘇省、浙江省、上海市、山東省、広西チワン族自治区、黒竜江省、吉林省は今年、この区間を設けた目標を設定している。
各地がGDP成長率の目標を引き下げ
各地の両会(人民代表大会、政治協商会議)の開催に伴い、各省の今年のGDP成長率の目標も明らかにされている。昨年末に開かれた中央経済工作会議は、第13次五カ年計画期間(2016−20年)のGDP成長率を6.5%以上とすると表明した。ゆえに各省の今年の目標は、全国の経済成長率を上回っている。
そのうち重慶市は10%を維持し、24省のうち唯一2桁の目標を維持した地域になった。昨年は5省が10%以上の目標を設定していた。うち陝西省は今年の目標を2ポイント、福建省は1.5ポイント引き下げた。
昨年は各地が目標を引き下げたが、今年もこの流れが続いているのはなぜだろうか?中国交通銀行チーフエコノミストの連平氏は、上海証券報の取材に応じた際に、「地方のGDP成長率の目標引き下げは、当然の流れと言える。今年は経済減速の圧力が深刻だからだ。中国は今年、余剰生産能力の削減に取り組み、製造業に圧力をもたらす。ゆえに東北地区と中西部地区は大きな圧力に直面する」と指摘した。
中国は近年、経済成長の質への重視を強めている。この質向上も、各地が成長目標を引き下げた重要な原因だ。
また今年は第13次五カ年計画の初年度であり、各地は幸先の良いスタートを切るために、今年の目標を同期間の目標より高めに設定した。例えば天津市の場合、前者は9%、後者は8.5%だ。