2015年の中国のGDPは6.9%と、IMFの「世界経済展望」における予測数字と全く同じであった。IMFは世界が注目する中国経済について「中国経済は必要な調整を経て、よりバランスのとれた成長を実現しつつある」との見方を示した。
IMFのチーフエコノミスト モーリス・オブスフェルド氏は「2016年と17年の中国経済に対するIMFの見方は従来と変わっておらず、想定どおりの動きである」と説明。さらに「6~6.5%の成長は現在の中国経済にとって安全圏内であり、GDPが10兆ドルを超える世界第2位の経済大国が毎年、そのレベルの成長をするということは、引き続き世界経済の重要なエンジン役を担っている」と述べた。
米ピーターソン国際経済研究所のNicholasR.Lardy中国担当研究員は「中国経済を悲観的に見る論者を私は否定する。そうした論者はここ数年中国経済を牽引してきたのがサービス業であって製造業ではないことを理解していない」と述べている。2015年の中国経済のデータはまさに同研究員の見方どおりである。GDPにおける消費部門の貢献度が2014年から15年にかけて15.4ポイント上昇し、66.4%に達したほか、サービス業のGDPに占める割合も2.4ポイント上昇し、50.5%までに高まっている。これはGDPの半分以上であることを意味し、工業の占める割合を16.7ポイント上回る。