・情勢に応じて進む 供給側の構造改革で新たな飛躍を実現
先ほど発表された2015年の中国経済の「成績表」を見ると、経済成長率が安定を維持すると同時に、中国がこれまで求めてきた構造的な変化が生じつつあることが分かる。
第三次産業の付加価値の国内総生産(GDP)に占める比率は、前年比2.4ポイント上昇の50.5%に達した。第二次産業の成長率がギアチェンジするなか、第三次産業は経済成長に対して「スタビライザー」の役割を果たし、雇用安定化の重要な要素となった。
消費が2桁台の成長率を維持した。昨年の最終消費支出のGDPへの寄与度は、前年比15.4ポイント上昇の66.4%に達した。ネット通販などの新業態が特に好調だった。供給側の構造改革の推進に伴い、消費は成長に対する基礎的な力をより良く発揮し、中国経済の構造改善・アップグレードに余地をもたらす。
革新の経済成長への寄与が拡大しており、ハイテク産業の高度発展でその傾向が特に顕著だ。対外貿易がバリューチェーンの川上に登り詰めており、輸出全体が低迷するなか、電気製品の輸出が増加した。
地域経済の協調性が持続的に強化された。中部地区の一定規模以上の工業企業の付加価値額は前年比7.6%増、西部地区は7.8%増となり、東部地区を上回った。
アジア開発銀行中国代表所高級エコノミストの荘健氏は、「昨年のデータを見ると、中国経済は全体的に安定化に向かっている。経済構造が改善され、モデルチェンジ・アップグレードがさらに加速された。新たな成長の原動力が、徐々に形成されようとしている」と指摘した。
国務院発展研究センター長の李偉氏は、「発展・モデルチェンジの実質は、発展方法の変化だ。最も主要な任務は、経済を中高度水準に押し上げることだ。これは系統的かつ全体的な取り組みであり、少なくとも高い生産効率の基礎を踏まえた発展方法、よりバランスの取れた経済構造関係、産業技術水準の中高度化、世界分業体制におけるバリューチェーンの川上への移行という4つの特徴を持つ」と話した。
李氏は、「中高度水準の経済が、あっさりと形成されることはない。これには五中全会が掲げた革新・調和・グリーン・開放・共有の5大発展理念を上手く活用し、正確な戦略と政策を策定し、たゆまぬ努力により計画を実行に移すことが必要だ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年2月3日