投資総額340億元の上海ディズニーランドが、6月16日に正式に開園する。現在は試験と調整を行う試営業の段階にある。
上海ディズニーランドの開園に向け準備が進められる中、香港ディズニーランドが業績悪化を発表した。香港ディズニーランドは、2015年に1億4800万香港ドルの赤字を計上した。香港ディズニーランドの業績悪化と来園者数の減少を背景とし、上海ディズニーランドは平日の入園料を370元、ピーク期の入園料を499元に設定した。この平日の入園料は、ウォルト・ディズニーが世界に展開する12のディズニーランド、6のディズニーリゾートのうち最低となっている。
ホテル業界のコンサルティング会社、華美酒店顧問機構の趙煥焱氏は記者の取材に応じた際に、「ディズニーは米国本土で衰退期に入っている。海外プロジェクトの発展にも関わらず、ディズニーの2014年の来園者数はわずか1.3%しか増えなかった。同業者との激しい競争にさらされ、テーマパークの価格戦争が不可避になっている」と分析した。
上海ディズニーランドが間もなく開園という情報の刺激を受け、流通市場の上海ディズニーランド関連銘柄が高騰していることに注意が必要だ。
香港ディズニー、巨額の赤字を計上
香港小売業の売上高が10ヶ月連続で大幅に減少し、香港ディズニーランドも昨年、苦しい経営を強いられた。香港ディズニーランドが発表した2015年の業績によると、同社の同年の売上高は51億1400万香港ドル、赤字額は1億4800万香港ドル、利益率は−2.89%となった。香港ディズニーランドは2011年に2億3700万香港ドルの赤字を計上していたが、今回は2011年ぶりの赤字となった。
香港ディズニーランドの金民豪・最高経営責任者(CEO)は、「周辺地区のビザ発給要件緩和、直通便と格安航空便の増加、外貨の相場下落により、香港の観光客が減少した。ディズニーランドの収入源、資本減価の拡大により、収支バランスをとることができなかった」と説明した。
香港ディズニーランドの赤字化は、香港市場からの短期的な影響のみによるものではない。中国観光研究院副研究員の楊彦鋒氏は、「これは上海ディズニーランドの開園に対する期待感から、観光客が香港ディズニーランドへの来園を見送ったためだ」と指摘した。
しかし趙氏は上述した原因の他に、米ディズニー本社による高額のライセンス使用料も、香港ディズニーランドの赤字の重要な原因だとしている。
公開されている資料によると、香港ディズニーランドの初期投資額は35億ドルで、香港特別行政区の持ち株比率はその後の協議を経て、57%から52%に低下した。香港特別行政区は香港ディズニーランドのチケット収入の分配のみを受け、園内のその他の製品(ディズニーの記念品、ホテル、外食など)の利益はすべてウォルト・ディズニーのものとなる。