ただ、経済減速の圧力拡大に伴い、中国の銀行業全体の資産の質は持続的に低下。昨年末時点で、商業銀行の不良債権残高は17四半期連続で増加し、不良債権比率も10四半期連続で上昇。商業銀行の経営が圧迫されるなか、不良資産証券化は銀行が不良資産を処理する新たなチャネルとなる。政府の監督管理部門は2015年から不良資産証券化の再開をほのめかし始めた。『経済参考報』の記者が取材した業界関係者は、取引の構造設計上、不良資産証券化商品は優先ランクと劣後ランクの2等級となり、一般の資産証券化と区別が無いが、証券化のベース資産が基本的に不良資産となるため、実際にはコストが高い上に、難しい点も多いとしている。
不良資産証券化商品の価値は市場関係者が注目する重要な問題の一つ。業界関係者は、不良資産は割引販売されるものの、どの程度割引すれば取引当事者の利益に見合うのかは、銀行と仲介機関が関与し、合理的な価格が決まるのを待つ必要があると説明。デロイトの陶堅パートナーは、「銀行側では、リスク、計画財務、資産保全など多くの部署が関与する必要がある。不良資産の特殊性を考慮すると、モラルハザードを防ぐために、政府の監督管理部門が銀行の監査担当部署の関与を求めるだろう」との見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月1日