■社会保険基金とは異なる
国務院法制弁公室の責任者は、同条例が規定する全国社会保障基金と社会保険基金は異なると指摘した。全国社会保障基金は、国家社会保障の準備資金として、中央財政予算割当や国有資本移転、基金投資収益、国務院に許可されたその他の方法で調達した資金で構成され、高齢化ピーク時の養老保険など社会保障支出の補充、調節に使われる。投資運営は、安全性、収益性、長期性の確保を原則とする。短期的には支出が発生しないため、中・長期投資に適している。
一方、社会保険基金は国民の加齢、疾病、労災、失業、出産などに対する物質的補助を目的に設立。主に事業主や個人が納める基本養老保険基金、基本医療保険基金、労災保険基金、失業保険基金、出産保険基金で構成され、加齢、医療、労災、失業、出産などの社会保険が発生した際の資金に充てられる。そのため、社会保険基金は、投資リスクコントロールに対する要求が高く、投資範囲を狭めて、投資運用を制限する条件も多い。国務院が2015年8月に承認した「基本養老保険基金投資管理弁法」が基本養老保険基金の投資運営について規定している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月29日