2月3日の中国国務院第122次常務会議で承認された「全国社会保障基金条例」が5月1日から施行される。全国社会保障基金の管理運営は、全国社会保障基金理事会が担う。安全性、収益性、長期性の確保を原則に、国務院で許可された固定利付資産、株式、未公開株などと、その一定比率内の関連資産が投資対象となる。
同条例には、「全国社会保障基金理事会は、全国社会保障基金を周到・慎重、穏健に管理運営し、国務院で許可された割合にもとづき、国内市場で投資、運用を行う。安全性、収益性、長期性の確保を原則に、国務院で許可された固定利付資産、株式、未公開株などと、その一定比率内の関連資産が投資対象となる」という全国社会保障基金の管理運営で遵守すべき規定が明記されている。
■社会保障基金の規模は1兆5085億元に
国務院法制弁公室の責任者は、2000年8月に設立された全国社会保障基金が国家社会保障の準備資金として、中国の高齢化ピーク時の養老保険(年金)など、社会保障支出の補充と調節に使われ、全国社会保障基金理事会が管理運営を担うと説明した。設立から16年間に財政割当や国有資本移転を通じて基金を拡充した上、投資収益も加わり、2015年12月末時点の基金規模は1兆5085億9200万元と、設立当初の200億元から大幅に増加。投資収益は累計7133億3400万元に上り、投資収益率は年平均8.82%で、同時期の平均インフレ率6.47%を上回る。