EUobserverは先ごろ公式サイトに世界経済と政策研究に関する専門家の見方を掲載し、「EUは中国と欧州の経済貿易の重要性と中国の市場経済改革での努力を踏まえ、中国の市場経済国としての地位を承認すべき」と呼びかけた。
「EU側から見れば、中国を市場経済国として承認することにより得られる長期的な利点は、短期的な損失を上回る価値がある」と、Dan Steinbock氏がEUobserverの公式サイトで指摘した。Steinbock氏は、コンサルティング会社「Difference Group」の創始者であり、米ICA Institute(インド・中国・アメリカ研究所)国際経済研究センターのResearch Director、上海国際問題研究所とEU Centre in Singaporeの客員研究員などを務める。
Steinbock氏は、EUが中国を市場経済国として承認すれば、中国とEUの長期に渡る良好な関係発展を促し、欧州への中国資本の投資呼び込みにプラスになると指摘。また、中国経済のイノベーションとモデル転換も欧州企業にチャンスを創出するとしている。
中国のWTO加盟時の付帯条項によれば、WTO加盟国は2016年年末までに中国を「市場経済国」として承認する必要があるが、EUは未だに承認していない。一部の団体によれば、EUが中国を「市場経済国」として承認すれば、中国製品のEUへの流入を防ぎ切れなくなり、EUの雇用にとって脅威となる。