日本経済は明らかに硬直した停滞に陥っている。日本病は潜伏期が長く、発症すれば長く続く。「オランダ病」、「イギリス病」、「ギリシャ病」と似ており、物価の低迷、内需の萎縮、投資の不振、債務の膨張、支出の増加、産業の空洞化、競争の弱化などの病状がある。いずれも政策だけでは病の本質を治せず、デフレと低成長が長引く。
現在欧米経済は景気が多少上向いているが、やはり「日本病」の病状が見られる。消費の不振、通貨の超過、ゼロに近い利率、過度なデフレなどだ。2008年から2015年にかけ、ユーロ圏のGDP成長は年平均でわずか0.1%だった。欧州中央銀行はすでに2016年のユーロ圏GDP成長率予測を1.7%から1.4%に引き下げた。FRBもアメリカのGDP成長率予測を2.4%から2.2%に引き下げた。
欧米先進国だけでなく、中国を除く新興経済体でも景気が悪化している。経済減速が普遍的な現象となり、2015年の経済成長率は4%に留まった。モルガ
ンスタンレーは2016年の世界経済成長率を3%と見込む。これは以前の予測である3.3%より低い数値であり、日本式の長期停滞に陥るかもしれない。