今年に入ってから円高の勢いが止まらない。現在は1ドル106円前後と昨年の安値の125円と比べると上昇幅は15%を超えている。アナリストの多くは円の値上がりはデメリットがメリットより大きいと分析。また短期間に昨年の水準まで戻る可能性はあまりないとしている。
円高は貿易・国際収支の改善や経済成長の促進、外貨準備の増加など、日本経済にとって一定のプラスの効果を及ぼす。今年に入り、原油価格の下落と円高が重なり、日本の貿易収支の赤字は大幅に減少し黒字を実現した。統計によると、今年の2月と3月の貿易収支(物品)は大幅な黒字となり、輸入額では前年同期比14.2%と14.9%の減少となった。
しかし円高はマイナス面での影響のほうが大きい、と多くのアナリストは主張。円高は日本の大企業・中小企業ともに業績に深刻な影響を与える。株価の下落による財務の悪化と、日本の輸出型企業(多くは製造業)の価格競争力の低下である。