中国銀行業協会はこのほど広州市で、「2015年中国銀行業資産運用業務発展報告書」(以下、同報告書)を発表した。中国銀行業資産運用商品が2015年通年に個人投資家から集めた資金は101兆4900億元に達し、すべての資金源の64.07%を占めた。
個人投資家は銀行資産運用資金の主な出処となったが、機関投資家の比率が大幅に上昇している。2015年通年に機関投資家から集まった資金は22.98%の36兆4100億元で、2014年より1.48ポイント上昇した。
中国銀行投資銀行・資産管理部の王衛東副総経理は、「銀行の同業者、民間銀行などの資金源を加えると、中国銀行業資産運用業務の投資家構造はバランスが取れている。また資産運用に長期的かつ安定的な資金をもたらし、資産運用商品の期間構造をより合理的にしている」と話した。
王氏は、「資金運用の状況を見ると、銀行資産運用は実体経済への奉仕という主旨を守り、各種資産を合理的に配置することで、67%以上の資産運用資金を直接的・間接的に実体経済に向けている。国家の一帯一路(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)建設、中西部の発展、国有企業の合併・再編、被災後の再建などの支持に対して重要な力を発揮している」と述べた。
また近年になり、各種監督管理の新制度が相次いで打ち出され、資産運用業界に対する規制緩和が続いていることに注意が必要だ。銀行、信託、保険、証券、ファンド、先物、私募ファンドなどの各種金融機関が全面的に資産運用業界に進出している。中国は業界をまたぐ競争、各業種を同時に手掛ける「大資産運用時代」に入った。大資産運用業界の規模は2015年末に90兆3600億元に達し、うち銀行資産運用商品の規模が最大で、その残高は全体の26%を占める23兆5000億元に達した。
銀行資産運用の健全かつ秩序ある発展を促すため、中央銀行や中国銀行業監督管理委員会などの監督管理機関は一連の制度を発表し、商業銀行による資産運用サービスの基準化・規範化を促し、資産運用業務の資産管理業務へのモデルチェンジを推進している。
王氏はまた、「銀行資産運用業務は力強く発展しているが、法的地位が不確かで、総合的なサービス能力が不足し、組織・構造改革が遅れ、償還の圧力が拡大するといった一連の課題がある。銀行資産運用は課題を直視し、資産管理業務の発展という歴史的チャンスをつかみ、商品の正味化発展を推進し、投資銀行と資産管理業務の連動を強化し、資産管理業務の域外発展の道を模索するべきだ」と提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月24日