中国は米重要産業分野の製品や技術の主要輸出相手国になっている。米商務省国際貿易局は25日、国内10数業界に及ぶ最新の輸出報告書から明らかにした。産業分野は航空機部品や自動車部品、建築設備、民生用原子力、再生可能エネルギー、スマートグリッドなど多岐にわたるという。
報告書によると、中国は航空機部品の輸出先国別順位では現在7位だが、向こう20年以内に世界最大の需要国になる見通しだ。ボーイング社は中国での需要拡大を見込んで、6000機以上の航空機の増産を図る必要があるとしている。中国では、ヘリコプターや練習機の市場も急速に拡大しているほか、国を挙げて民生用航空宇宙産業の振興に取り組んでいることもあり、いずれ関連分野で米中企業間競争の時代を迎えるだろうと述べている。
民生用原子力分野については、中国は火力発電への依存度低減に向け、原子力発電の推進に取り組んでいることから、建設中の原発基数は世界一となっていると指摘。「中国は米原発の最大の輸出先であり、この分野で両国は緊密な協力関係を維持している」と述べた。一方、中国の電力需要の伸びが鈍化していることから、原子力発電所の新規建設に遅れが出てきているものの、「向こう10年以内に中国の原発市場は米企業に極めて大きな商機をもたらす見込みだ」している。