またこれと同時に、労働力の高齢化という問題も浮かび上がっている。高齢化の状況に関する年次報告書、「高齢社会白書」によると、2015年10月時点の65歳以上の高齢者人口は3392万人と、総人口に占める割合は26.7%となった。このうち、13.5%が今でも仕事をしており、収入を伴う就労を希望する割合が70%以上に上ったことが意識調査で分かった。ここから、日本の高齢者は、より価値のある生活を望んでいる一方、老後の生活に対する不安を抱えている実態がうかがえた。
貧困率も上昇しており、日本の社会は貧富の格差が拡大している。金融に関する様々な啓蒙活動などを行っている日本金融広報中央委員会の『家計の金融行動に関する世論調査』によると、2015年の金融資産保有世帯の金融資産保有額は増加傾向にあるが、一方で、「金融資産を保有していない」と回答した世帯は全体の30.9%と、2012年の26%から拡大した。
これに対し、米誌『フォーブス』が集計した日本の富裕層上位40人が保有する資産総額は、2012年の7兆2000億円から、2015年の15兆9000億円に膨れた。