「購入すれば当然のことながら売却する」。中国黄金集団の万喆シニアエコノミストは16日、「環球時報」の取材に対して、中国の米国債・米国株売却は正常な市場取引だと述べた。米国債の発行は本質的には金銭の貸借行為だ。貸借と融資で手にする金銭の額は買い手の意思で決まる。「米国が不愉快になるのは筋が通らない」と述べた。
万喆氏は、「現在は米国債の売却にふさわしい時機」だと指摘する。以前に米ドル建て資産の価値が著しく低下した時、中国国内ではすでに「過剰な米ドル建て資産は外貨準備の異常な縮小を招く」との声が上がっていた。世界経済は変化し始めており、中国も外貨準備運用の多様化を強化するようになった。そのため、一定の米ドル建て資産を売却し、その他の資産を補充することは、1つの国が「大国」から「強国」に向かって金融分野で行う正当な行為にすぎない。米国株の売却に至っては、去年の6月に米国株式市場が大きく変動し始め、軟調な値動きとなったため、投資家として株式を売却するのは自然な市場取引だといえる。
ブルームバーグは16日、「米国株を売却するのは中国だけではない」と報じた。カタール、サウジアラビア、ロシアなどの政府系ファンドが、原油相場の変動以来、米国株を含む保有資産の売却を進めているという。HSBCグローバル・アセット・アロケーションの責任者であるFredrik Nerbrand氏は、「中国をはじめとする国は、米国株を保有し続けるのは非常に危険だとみている」と指摘した。これは驚くことではない。「彼らは自国資産のポートフォリオについてリスク軽減を図っているだけだ」という。