国連貿易開発会議(UNCTAD)は22日、海外直接投資(FDI)の世界的な動向を分析した『2016世界投資報告』を公表した。今年は世界経済の成長減速による影響で、各国が海外から受け入れる直接投資の伸びは大幅に鈍化、下半期も鈍化傾向が引き続き、通年で前年を10~15%下回るとの見通しを示した。
こうしたなか、中国の対外直接投資は高い伸びをみせ、今年の対外直接投資残高は世界ランキングで6位と、前年の10位から順位を大きく上げる見通しだ。
専門家は、「十三五」(第13次5カ年計画、2016~20年)期間に、中国は対外投資が対内投資を上回る対外純投資国に転じるだろうとの見方を示した。
『世界投資報告』によると、中国の外資利用額は安定的な伸びを維持した。2015年の外資流入額は前年比6%増の1356億ドルと、世界ランキングでは前年の首位から順位を落としたものの、米国に次ぐ2位。外資流入残高は4位だった。ただ、中国のFDIは、業界構造や地域構造の最適化が進んでおり、質的にも若干の向上がみられる。UNCTADによると、世界的に比較した場合、中国が最も魅力的な投資先の1つであることに変わりはないという。