対外投資についてみてみると、2015年の中国の対外投資は前年比4%増の1276億ドルと、世界3位の座を維持した。対外投資残高は1兆ドルの大台を超え、世界10位となった。UNCTADの統計によると、今年1-5月の中国の対外投資額は約735億ドルと、前年比で62%増加した。
UNCTAD投資・技術・企業開発部の詹暁寧代表は、大規模な海外M&A(合併買収)が加速するなか、一部の先進国にとって中国は外資を供給する国になっていると指摘。中国が提唱する経済圏構想「一帯一路」と「国際産能合作」(生産能力のグローバル提携)の推進ともあいまって、中国の開発途上国に対する投資は急速な拡大が続いているという。
詹代表は、中国によるM&Aが続く大きな理由として、国内企業の成長や国内の生産能力の過剰、産業構造の転換のほか、国際的な資金調達コストが過去最低水準になっていることが挙げられると指摘。複数の主要国がマイナス金利を導入、国際市場で大量に購入できる資産がある上、資産価値が割安なためだと説明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月22日