「通常、人民元の先安感が強ければ、顧客は外貨を売り惜しむはずである。しかし5月の統計によると、銀行の顧客向けの元売り(=顧客の外貨売り・元買い)の純額は86億元となった。このことは、人民元の先安感が落ち着き、下押し圧力が薄らぎ、資本移動が正常に戻ったことを意味している」中国人民銀行国際金融研究所の宗良副総経理はこう述べた。
中国国家外為管理局が20日公表した統計によると、5月の中国の商業銀行による全体の外貨売り・元買いは8296億元(1270億ドル)、外貨買い・元売りは9109億元(1395億ドル)となり、外貨取引は817億元(125億ドル)の売り越しとなった。これで3ヶ月連続の売り越しとなる(うち顧客向けの元売り純額は86億元)。
宗良氏は「このところの中央銀行のコントロールの特徴は、オンショアレートとオフショアレートの一致を重視していることにある。しかし市場化による変動度合いが内外の市場の状況に基づき、水準と幅がともに高まり、さらに常態化している。このことは人民元レートの市場化のレベルが一段と高まっていることの表れだ」と話している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月23日