国家級新区と広東自由貿易試験区の重要な一部である横琴は過去1年で、制度建設と地域発展の方面で注目すべき成果を実現した。経済発展が「新常態」(ニューノーマル)に入った状況でのこの成果はたやすいものではなく、筆者もこれを改めて評価している。
レジャー・観光業は、香港・マカオの重点産業である。「国際レジャー観光島」としての横琴の建設は、香港・マカオの優勢産業の延長発展と共同発展を促進するものとなる。横琴はこの事業を重視し、多くの基礎的な事前準備を行ってきた。今後の計画と事業進行においては、横琴は引き続き、「革新、協調、緑色、開放、共有」という中央による5大発展理念を掲げ、革新発展を貫く主軸にこれを据え、国際レジャー観光島の建設をリード・推進していく。
第一に、「革新発展」の堅持。革新は、発展をリードする第一の原動力であり、横琴国際観光レジャー島建設の第一の原動力となる。横琴は制度革新でここ数年、注目すべき成果を上げてきた。国際レジャー観光島の建設においては、便利な通関制度の検討など、制度革新の結果を体現させる必要がある。このほか観光商品や観光市場、観光ブランド、観光戦略などの面でも、横琴は、革新的な思考や革新的な措置を体現させ、世界の観光産業の発展の趨勢をしっかりと把握し、計画を進めなければならない。
第二に、「協調発展」の堅持。これは最も困難であり、最も複雑なものと言える。まず考えなければならないのは、その位置付けの協調である。横琴が担っている「位置付け」と「機能」は数多い。国際観光レジャー島の建設は、これらの位置付けの具体的な体現・実現であり、同じ流れを汲むものでなければならない。観念と意識においてこの点をはっきりさせておく必要がある。
第三に、「緑色発展」の堅持。地域の発展や人口の集中は今後、生態環境に大きな圧力がもたらす可能性がある。未来の国際レジャー観光島の計画には、環境に優しい移動方式や道路設計などでの検討や対応が必要となる。これには循環型ホテルや循環型パーク、生活ゴミの集中処理などが含まれる。横琴はこの方面ですでに良好な滑り出しを見せており、今後は、関連計画のさらなる推進や実施を進めていく必要がある。
第四に、「開放発展」の堅持。横琴が建設しようとしている国際レジャー観光島が開放の特徴を持つことは明らかである。開放発展とは何か。国際化である。国際化をいかに体現するか。国際化は、単純なハードウェア面の基準によって示されるものではない。まず問われるのは観光客の国別の国際性である。全国的に見ると、外国人の大陸部観光客は近年、ゆっくりと減少している。横琴は、マカオとの協力をさらに強化し、ポルトガル語・スペイン語系諸国との経済貿易協力プラットフォームの建設とも十分に連携しながら、ラテンアメリカの観光市場の開拓をはかり、観光客の国際化を実現しなければならない。
第五に、「共有発展」の堅持。共有の前提は共同建設である。横琴とマカオによる国際レジャー観光島の共同建設にあたっては、運命共同体・責任共同体・利益共同体の構築を進める必要がある。つまり横琴には、マカオの人材と観光客を引き込むことだけが求められているのではなく、すでにある土台の上でマカオとの資本協力をより強化し、マカオの産業の多元化を促進し、根本から問題を解決することが求められているということである。(文:国家発展改革委員会マクロ経済研究院副院長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月29日