大気汚染対策と気候変動枠組み条約の2つの圧力がかかるなか、中国ではクリーンエネルギーへの移行が加速している。上海市で先ごろ開かれた「分散式プロジェクト協力とイノベーション金融サミット」で専門家は、政策と金融資本の支援による後押しにより中国の分散式太陽光発電の発展ペースが「追い越し車線」に入ったとの見方を示した。
ここ数年の間、中国の集中式太陽光発電所と分散式太陽光発電プロジェクトの発展状況は対照的だった。集中式太陽光発電所は一貫して投資対象となり、大量の発電所プロジェクトが集中して着手された一方、分散式太陽光発電プロジェクトには誰も手を付けようとしなかった。中国で2015年に新規に増えた太陽光発電容量は1513万キロワットに上り、うち集中式は91%を占めた。
中国の集中式太陽光発電所は主に西部地区に固まる。過度の集中、送電線の不備、送電のトラブルなどが原因で、現地では大規模な発電ロスが起こった。一部地域の発電ロス率は20%から30%に達したという。