中国のIT大手、騰訊(テンセント)は先月、総額86億米ドルでフィンランドのコンピュータゲーム開発会社スーパーセルを買収し、世界で1000億米ドルに上るコンピュータゲーム市場の中心的な開発会社となった。巨大取引が成立する一方、その他の娯楽産業では映画、テレビ、書籍出版を含め、中国企業がこのような中心的な地位を築くには至っていない。
オーストラリアの『ジ・エイジ』は7月10日にウエブサイトで、買収により生じる最も長く続く影響は経済学とは関係のない文化関連になるとの見方を示した。
中国政府はここ数年にわたりクリエイティブ企業に巨額の補助を行い、海外で発揮する「ソフトパワー」に目を付けている。現時点では特別な成功を収めてはいないが、中国のコンピュータゲーム産業は昨年世界トップに上り詰めており、今後は最も価値ある文化輸出品の一つとなる見込み。これまで中国の娯楽産業が相次いで失敗に終わった分野だが、今回は成功しそうだ。
報道によると、中国で大流行しているコンピュータゲームが基本的に輸入に頼るなか、例えば騰訊などの開発会社は中国人ゲーマーのニーズに対応している。中国の伝統的テーマや史詩をベースにしたゲームは根強い人気を保ち、「西遊記」のように注目を集めている。